日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年3月4日部下に伝わる話し方とは?



★話し方に悩んでいる上司は多い


先日、ベーシックコース無料体験教室の参加者から次のような話を聞きました。
「最近、職位があがって部下に朝礼でスピーチする機会が増えました。しかし、自分はとにかく早口で、おまけにとりとめなく話をしてしまうので部下は私が話し終わってもポカーンとしているんです。何とかしたいと思って見学に来ました」
こうした話は受講生からも頻繁に聞きます。そこで今回は、部下を納得させるために上司はどういう話し方をすればよいか、ということについて解説します。





★熱意を持って話す


1つ目に大切なことは、上司自身が熱意を持って話すことです。
職場の朝礼などでの上司の話は、冷めた様子で話さねばならないから話していると感じさせる話しぶりが散見されます。話し手の気持ちはその話し方で聞き手にストレートに伝わってしまいます。自分でもどうでもいいと思っている話は、その「どうでもいい」感が態度や音調に現れるのです。部下に聞いてもらえる話がしたいのなら、まず上司が伝えたいことを明確にして、ぜひそれを理解してもらいたい、という熱意を持って話すことが必要なのです。



★短い言葉で話す


2つ目に大切なことは、理解して欲しいことを短い言葉にして話すことです。
上司がスピーチすると、話ながら思いついたことを長々と話すことがよくあります。次第に話があちこちに飛んでいき、聞いている人は何が言いたかったのか全然理解できなかった、ということも珍しくありません。こうしたことを避けるためには、伝えたいことを短いメッセージにして話すことが効果的です。
「今日は、安全運転を心がけて欲しい、という話をします」
「今から人事制度の変更点について説明します。ポイントは、在宅勤務がしやすい制度になる、ということです」
このようにどういう話をするかを最初に告げると、聞き手の理解は格段に進みます。また、短い言葉は記憶に残りやすいので、上司の話を部下がその後も覚えている確率が高まります。


なお、この短い言葉は必ず主語と述語を含んだものにして体言止めにしないことが肝要です。私たちは話を始める際、「今日は安全運転について話します」「今から在宅勤務に関する人事制度の変更点について説明します」といった話し方をしがちです。この話し方では「安全運転」が何なのか、「在宅勤務」がどうなるのかなどがよくわからず、聞き手の記憶に残りにくいのです。先に述べた例のように「安全運転を心がけて欲しい」「在宅勤務がしやすい制度になる」のように主語と述語を入れて話すようにしてください。主張が明確になり、聞き手は格段に理解しやすくなります。



★エピソードや例話を入れて話す


そして3つ目は、エピソードや例話を入れて話すことです。
話に必要なことは、聞き手がその話に共感できることです。人が共感しやすいのは何と言っても「ストーリー」がある話です。そして、話にストーリー性を持たせるには、エピソードや例話を入れるのが効果的です。例えば「安全運転を心がけて欲しい」という話をするのなら、次のような例を入れるとよいでしょう。
「運転手が左折する際、一瞬確認を怠ったために高校生の自転車を巻き込んでしまった。その高校生は一命は取り留めたものの意識が戻らない状態が何年も続いている。裁判所は運転手に1億7千万円の賠償命令を出した。一瞬の気の緩みがあなたや家族、被害者の一生を台無しにしてしまうこともある」
このような例話を入れると、聞き手も自分事のように感じて、気を引き締めて運転しよう、と思うのではないでしょうか。


以上の3点を意識すれば、今まで以上に説得力のある話をすることができますので、ぜひ実行してみてください。



★話し方を学びませんか?


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